ひつじ草の忘れっぽノート

ひつじ草って睡蓮の一種のことらしいです。ゆらゆらボンヤリ、覚えることより忘れる方が得意なお年頃、読んだり見たりの備忘録。

「バレエ・アステラス」と「世界バレエフェス」

しばらく前ですが、7月27日に、世界バレエフェスの全幕特別プロ「ドン・キホーテ」を鑑賞。

バジルのマチアス・エイマンは、バジルにドンピシャじゃないけど、フワッとエレガントに脚線美まで見せるジャンプにうっとり。ミリアム・ウルド=ブラームのキトリは可愛らしく、でもキッチリと踊り込む。パッセだけで魅せるバリエーションや、グランフェッテはたぶんあえてシングルで、ゆーっくり開く脚を見せてクルッと振り返る、いままで見たことのないリズムの32回転。やっぱりオペラ座すごい!という感服感あり。

ほかはキューピッドの足立真理亜さんと、吉川留衣さんの第1バリエーションは、とても良かった。どちらもキビキビ生き生きと印象に残る。

が、その他は全体にどこがダメじゃないんだけど、なんとなーくモヤっと薄いベールがかかったような印象。

翌日に新国立劇場の「バレエ・アステラス」。昨日のチケットの約半分のお値段。が、これがよかった!感動というより、面白かった。海外のバレエ団で踊る日本人ダンサーが、「見て!この私たちの踊りを見て!」と、競い合いながら熱っぽく踊る。

ノーザンバレエの宮田彩未さんペアの「夏の夜の夢」はアクロバティックかつ詩的。バーミンガム・ロイヤルの水谷実喜さんペアのサタネラは、飛ぶ跳ぶ回るのハツラツっぷり。ロミジュリのアクリ瑠嘉くん、ジゼルの千野円句くんは、たぶん少し背伸びの憧れ演目を踊る張り切りが清々しい。

トリのロイヤルバレエのプリンシパル、高田茜さん平野亮一さんはのジュビリーパドドゥは、やっぱり世界基準はこれだよねーという、難しいことがまったく難しく見えないドヤ感ありました。

そして、フィナーレの時とか、みんな若手が高田さん平野さんを意識してる感じもありあり。そうだよねー。若者なら平野に見てほしい、感想とかもらえるようにアピールしたいよね。目標だもんね。

新国立劇場バレエ団研修所の演目も含め、そうか私が舞台で見たいのは、この熱い感じ、緊張感、やる気に満ちたアピール感、プライド感なんだなあと、一人納得しました。

たぶんドンキの東京バレエ団には、それが出てなかった。どこかで「はい、私たちは無難に周りを固めます」という雰囲気を感じてしまったのかも。

舞台芸術って、その時その場にしかない、言葉にもできない何かに感動するもの。それを100回中100回出すのは難しいことでしょうけれど…。

私としては、この連日の鑑賞で自分が観たいものが明確になったのは、この夏の大収穫です。

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